障害年金事例
事例9 あきらめないで!初診証明 〜筋ジストロフィー〜
 平成17年11月8日の読売新聞朝刊で障害年金支援ネットワークがとり上げられ、その後多くの電話相談を頂きました。
 記事ではパーキンソン病の方のお話が中心でしたが、電話相談ではそれ以外の病気の方からもご連絡がありました。
 この事例のRさんは筋ジストロフィーです。
 
 かつてご自分で裁定請求をしようとしたものの、本来の初診日を証明できないため断念したとのことでした。
 お話をうかがったところ、同じ病気で障害年金を受給しているお兄様がいらっしゃることが判明しました。お母様が、思うように運動できない二人の息子が何かの病気でないかと疑い、市報で知った市の神経系難病の集団検診に二人の息子を連れて行き、その際に筋ジストロフィーの疑いがあると指摘されました。すぐに病院に行ったところ、血液検査等が行われ、その結果二人とも筋ジストロフィーと診断され、お兄様は即座に入院されたとのことです。お兄様19歳、Rさんは17歳のことでした。
 その後お兄様の病状は進行し、障害年金を受給することとなりました。そして数年後Rさんが障害年金を請求しようとしたところ17歳のときの医療記録が何もないことがわかりました。市の集団検診の結果は廃棄されていて、病院に行った際もRさんは特に治療を要しなかったため、カルテは作成されなかったそうです。Rさんの病状の進行はお兄様より遅く、21歳で初めて正式に筋ジストロフィーで受診しましたが、学生であったこともあり20歳以後保険料を納めておらず、障害年金請求の要件をこの時点では満たせない状況でした。
 お母様からもお話をうかがったところ、集団検診で医師から疑いがあると告げられたし、お兄様が支障なく障害年金を受給できたから、よもや弟が受給できないとは全く考えず、何も用意してこなかったと悲嘆にくれていました。お手元には古くなって茶色く変色した市報の集団検診の記事の切抜きがありました。
 お母様のとられた行動は当然のもので、もし私が母親でも同じ行動をとったと思います。私はお母様とご本人の気持ちを思い、初診を17歳の時として何とか受給できないかと手立てを尽くすこととしました。まず、市報がいつ発行されたものか割り出し、集団検診が本当に存在したことを確認しました。次に、お兄様のカルテに何か残っているかもしれないと考え、お兄様に協力を求めたところ、お兄様のカルテの中にRさんの検査結果の一部が残っていて、そのコピーをもらうことができました。
 これらを添付書類とし、経緯を詳述した申立書等とともに裁定請求しました。窓口の若い男性の職員の対応はとても心温まるもので、真摯に話を聞かれメモを取り、数点質問されたものの書類は即座に受付られました。受付から1ヵ月で障害基礎年金の2級に決定され、窓口の職員の素早い誠実な対応に感謝でいっぱいの気持ちとなりました。
 障害年金を請求するには、初めて病院に行った日を証明しなければなりません。しかし、長期間にわたって緩やかに進行する病気の場合、それが数十年前というのはよくある話で、証明するのは困難です。
 でも、あきらめないでください。障害年金の請求方法は20歳になって年金の保険料を支払い始めても細かく説明されることはなく、多くの方が初診日を証明するのに苦労なさっていて、私たち障害年金支援ネットワークのフリーコールにはこの点に関する相談が多く寄せられています。障害年金支援ネットワークの会員の社会保険労務士は情報交換を通じて色々な手段を蓄積していますので、是非ご相談ください。

社会保険労務士 K.S(東京都)

NPO法人 障害年金支援ネットワーク ( フリーコール:0120-956-119 )