障害年金事例
事例7 診断書のチェックは大事です!!
 鏑木美代さん(仮名)は脳底動脈瘤破裂による脳梗塞のため、言語機能喪失と右片麻痺の後遺による障害が残りました。
 発病は、朝、洗面中に倒れ、たまたまご主人が在宅で救急車によって近隣の公立総合病院に搬送され、即手術を施行しましたが、脳血管の後遺によって言語障害(失語症)と運動麻痺(右半身)を来してしまいました。
 何の前兆もなく、奥さんの突然の病魔による出来事で看護から生活面(食事・入浴・通院等)までの支援する日々が始まりました。
 ご主人は早速、市役所の窓口へ相談に行かれました。そこで初めて障害年金の制度があることを知ったのです。
ご主人は、窓口で教えて貰った通り、書類を取寄せ、診断書を依頼し、申立書もごく簡潔にご自身で作成し認定日請求をされました。が、裁定の結果は不支給でした。国民年金別表の2級に該当しないとのことで泣く泣く引き下がられました。不支給通知を受け取った後も、審査請求をすることもなく時間が経過していきました。
その後も奥さんは復帰に向けリハビリ開始のため、病院へ定期的に通院し、リハビリを開始しましたが、一向に回復の兆しもなく、言語は辛うじて自分の意思を伝える程度。こちらからの問いかけに対しては全く反応しない状態でありました。麻痺についても進展もない状況の中、ある機会に、私はご主人を紹介されました。ご主人は先の年金不支給をどうしても納得できず、何とか請求したい、との強い意志をお持ちでした。私は初診当時の状況・状態から現在に至るまでの状況を伺い、改めての裁定請求に向けて踏み出しました。
 ご主人は誠に几帳面な方で、初診から現在までの奥さんの状況をかなり詳細に記録されておられました。これが(支給獲得の)一つの大きな決め手になりました。
 早速、ご主人から前回裁定請求した当時の診断書を入手し、検証したところ、「言語機能の障害用」では、やはり予想通り、かなり軽い症状が記載されてありました。「肢体の診断書」も同様に、右半身が麻痺しているにも拘らず、肝心な日常生活動作については全く記載されていませんでした。さらに驚いたことは、診断書は主治医である内科医師が記入したとのことでした。よく聴いてみると、リハビリ担当の理学療法士等の意見を全く参考にせず、自分の知る範囲で記入したというではありませんか。
 再三、主治医である内科医師(リハビリ通院している主治医がなぜ内科医師であるのも驚き)と面談し、強くリハビリを担当する理学療法士と実際に測定し診断書を作成するよう申し入れました。
 その結果、言語機能も肢体についても、前回の診断書から比べると、明らかに症状通りの項目にマークされ、肢体の診断書も日常生活動作の内容が実際の症状・状態で記載させることができたのです。
 さらに、病歴申立書についても、ご主人の作成された記載内容は、ごくごく簡潔に記入されたもので、折角の記録が役に立っていなかったのです。そこで記録された内容を参考に、詳細に記載、診断書では見えない部分については特に重点的に詳細に記載し、また妻の障害による家族の生活負担の大きさ等も強調した申立内容に仕上げました。
 これらによって、障害基礎年金2級に支給裁定され、且つ遡及支給(認定日請求)も獲得することが出来た次第です。

社会保険労務士  M.N(兵庫県)


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