障害年金事例
事例5 障害年金の障害は医師に在り?(第1話)
 障害年金が受給できるかどうかは、医師の作成する診断書の内容によって決まります。
 病状が数値で表される障害の場合、問題は少ないのですが、一般的に件数が多い診断書の「肢体の障害用」と「精神の障害用」が使われる障害の場合には数値で表せないので、生活上困っている内容やご家族の支援の程度を医師に的確に伝えないと、診断書の内容にご本人の状況が正しく反映されず、軽いと判断されて年金が貰えないことが多く在ります。
 このようなことが無いようにするには手続きの経験が必要ですが、障害をお持ちの方は経験を積むことが出来ませんので、経験のある専門家「社会保険労務士」に依頼されることが得策です。
 以下、これに纏わるお話をします。

・精神発達遅滞の障害の事例

 Kさんが20歳になった時に、お母さんが社会保険事務所に相談して紹介された医療機関で障害年金請求用の診断書作成して貰いましたが、この医療機関の医師は、17歳の時に入手した養育手帳の診断書からIQ67の数値を確認して障害の程度が軽いと判断したのか、診断書は障害の程度が軽い内容で作成されていました。お母さんは、独自に障害の程度を説明する申立書を作成されていましたが、残念なことに医師にも見せず、又、裁定請求書に添付して提出もされていませんでした。結果は不支給でした。
 不支給の裁定があった後に、町の社会福祉協議会の方から支援要請を受けて担当することになりましたが、社会保険庁の作成している「障害認定基準」には、「知的障害(精神遅滞)の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する。」とあるにも関わらずIQ67の数値を確認して障害の程度が軽いと判断し、又、お母さんの意見も聞かずに独自の診断をして診断書を作成していることが確認できました。
 そこで、お母さんに生活上困っている内容やご家族の支援の程度を申立書にして医師と相談しましたが、面子のこだわりもあってか、訂正や意見書の発行は聞き入れてくれませんでした。そこで、改めて知能指数の再検査(この検査では検査方法が異なるもののIQは43であった。)と先に作成した申立書を持って他の医師に診断書の作成のお願いしたところ、ご本人の障害の程度が正しく評価されており、再裁定の結果は障害基礎年金の2級で受給できました。しかし、残念ながら7ヶ月遅れの事後重症による受給となりました。
 今回の反省点は、「当初の診断書を点検し、軽く書かれていた場合には裁定請求書の提出前に医師と打合せて、ご本人の障害の程度を話合い正しい認識で作成して貰う」事に尽きると思われます。
 前置きに記載したように、診断書の内容は経験のない方には確認が難しく専門家に当初から依頼されることが望ましいと思いました。

文責 社会保険労務士 S.S(奈良県)

NPO法人 障害年金支援ネットワーク ( フリーコール:0120-956-119 )