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年金制度は、度重なる法改正のため非常に複雑になっています。また、国民年金・厚生年金・共済年金と、加入する年金制度が分かれています。約40年間という長期にわたって、年金制度に加入し保険料を納めるため、その間に、就職・退職・転職・結婚などによって、各個人が加入する年金制度が変わることも、複雑になる要因です。生年月日・年金加入歴・性別・傷病名・障害の程度によって、すべて異なりますので、それら全てのケースを想定してお答えすることは多大な労力と莫大な文字数を必要とし、実際そのように記述しても、一般の人には、まず、理解できない内容になると思われます。
従って、以下のQ&Aは、原則的・一般的なことがらを中心に記載しております。従ってここのページでご理解が得られない場合には、お電話によるご相談ご質問により疑問な内容のご確認をお願いします。
Q身体に障害があれば、どんなときでも障害年金は出るのでしょうか?
A障害年金は、初診日要件、加入要件、保険料納付要件がすべて満たされた上で初めて、障害の程度が法律で定めた等級に該当するかどうかを認定をし、その認定によって障害年金を出すか出さないか、あるいは、出すなら何級の年金にするかが決定されます。
詳しいことは、このホームページの「障害年金とは?」のページをご覧ください。
Q私は、肝臓を悪くしたので障害年金を請求したいと思うのですが、加入していた年金制度によって、かなり金額が違うようですね。
Aそうですね。肝臓が悪いと感じられたのはいつ頃ですか?
Qまだ会社勤めをしていた、平成16年頃からです。
Aそのとき、すぐにお医者さんへ行かれましたか?
Qいいえ、会社の仕事が忙しかったものですから、すぐには病院へ行くことができませんでした。
そうこうしているうち、どうしても仕事を続けることが無理になったので、会社を退職してから病院へ行きました。
Aそうすると、初診日は、厚生年金保険加入者から国民年金の被保険者になってからですから、障害厚生年金ではなく、障害基礎年金を受給することになります。
Q30年以上も会社勤めをしていたのに、辞めてから病院へ行っただけで、厚生年金から障害年金を受けることはできないのですか?
Aそのとおりです。何とかして1度でも会社に勤めておられるうちに病院へ行っておかれたら良かったのですが、残念です。
Q私は心臓が悪くて1級の身体障害者手帳を持っています。障害年金は受けられるでしょうか。
Aあなたの心臓は、どこがお悪いのでしょうか?
Q私は、もともと不整脈があって、ペースメーカーを入れています。
Aペースメーカーをお入れになってからはどんな具合ですか?
Q不整脈はなくなりましたが、まだときどき息苦しいことがあります。
Aペースメーカーを入れると、身体障害者手帳では重く認定されますが、障害年金では必ずしも障害等級に該当しないことがあります。
心臓に、不整脈以外の症状が出ていないか、お医者さんにお確かめになってから、もう一度ご相談いただけますか。
Q障害年金を請求したのですが、年金は出せないという通知が来ました。どうしたらいいでしょうか?
Aその通知はいつごろ受け取られましたか?
Q1週間ほど前です。
Aそれには、年金が出せない理由が書いてあるはずですが、それはどのようになっていますか?
Q「障害の程度が障害等級に該当しない」と書いてあります。
Aあなたは、それをどのようにお思いですか?
Q毎日生活する上でこんなに苦しさを感じているのですから、障害年金が出ないというのは納得できません。
A不服申し立て(審査請求といいます)をすると、そのような決定が正しかったのか間違っていたのかを、あらためて調べ直します。
それができるのは、その通知を受け取った日の翌日から3ヶ月以内ですが、時間はまだ十分あります。
Qそれをやっても効果がなかったら、どうしたらいいのでしょうか?
Aその場合は、再審査請求をすることができます。これも、その決定書を受け取った日の翌日から2ヶ月以内にしなければなりません。
Q障害年金はどこへ請求するのですか?
A障害の原因になった病気や怪我で初めてお医者さんへ行かれたとき、あなたは何年金に加入していましたか?
Q国民年金ですが、そのときは、夫が厚生年金に加入していたと思います。
Aそれなら、国民年金の第3号被保険者だったときだと思いますので、年金事務所で手続きをすることになります。
Q夫が就職していなかったときはどうなりますか?
Aその場合は同じ国民年金でも第1号被保険者になりますので、請求窓口はお住まいの市町村役場になります。
Q審査請求をしたいのですが、どうしたらいいか分かりませんので、教えてください。
A各地方にある地方厚生局には、社会保険審査官という役職の人がいます。この審査官に対して「審査請求書」というものを提出すれば審査してくれます。
Q審査官は各地に何人くらいいるのですか?
A多くの府県では2名ですが、東京都は4名、北海道、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県は3名です。
地方厚生局の社会保険審査官に直接、あるいは社会保険審査官事務室に電話を掛けて相談してください。
そうすると、審査請求書用紙とその書き方を説明した書類を送ってきますので、それに必要事項を記入して提出してください。
Q審査請求書は、いつまでに提出するのですか?
A原則として、年金について何らかの処分をしたことの通知書(通常は不支給通知書)を受け取った日(その通知書の日付ではありません。)の翌日から3ヶ月以内です。地方厚生局によっては提出期日を指定してくるところもありますが、3ヶ月よりも短い期間を指定してきたときは、無視して構いません。
また、上のように通知書を受け取ってからそれほど日をおかずに電話を掛けたときは、3ヶ月を超えて提出しても書類は受理されます。
Q審査請求をする上で注意しなければならないことを教えてください。
Aまず、あなたの障害年金の請求を拒否するについて、その理由がはっきり書かれているかどうかを確認してください。
それがはっきりしているなら、年金事務所などが自分の間違いに気付くように、それに対する的確な反論を書くことが肝要です。
それから審査請求では、いつでも不支給通知書の写しを忘れずに添えてください。お医者さんから意見書がもらえたときなどは、それも資料として添付してください。
なお、審査請求は裁判の控訴審にあたりますが、やり方によっては効果が上がらないこともありますので、このネットワークの相談電話でご相談されることをお薦めします。
Q1障害認定日時点では、障害の程度は軽かったので障害厚生年金を受けていませんが、その後障害の状態が悪化しました。障害年金は受けられますか?
A1障害認定日に1~3級の障害状態になくても、その後65歳までに障害の状態が悪化し、1~3級の障害の状態になった場合は、ご本人の請求により、請求された月の翌月分から障害年金を受けられます。これを事後重症制度といいます。
Q2現在、障害年金の3級を受けていますが、障害の状態が悪化しました。1級か2級に変更することはできますか?
A2障害の状態が悪化したり、良くなった場合は、年金額が改定されます。この改定は、ご本人の請求によるほか、年金を受けている方が、障害の状態の確認のため定期的に日本年金機構に提出しなければならない診断書によっても行われることがあります。
障害の状態が良くなって3級に該当しなくなった場合には、該当しなくなったときから年金の支給が停止されますが、65歳の誕生日の前々日までに再び障害の状態が悪くなって3級以上に該当するようになった場合には、ご本人の請求により障害厚生年金の支給が再開されます。
Q2級の障害基礎年金・障害厚生年金を受けていましたが、その後、別のけがで障害が残りました。前後の障害をあわせて障害厚生年金を受けることができますか?
A1級または2級の障害基礎年金・障害厚生年金を受けている方(受けたことがある受給権者を含む)が、さらに別の傷病により1級または2級の障害基礎年金・障害厚生年金を受けられる条件を満たした場合は、前後の障害をあわせて障害の程度を認定し、一つの障害基礎年金・障害厚生年金が支給されます。また、後の障害が3級以下の軽い障害のときには、65歳までに2つの障害をあわせて障害の程度が重くなった場合、年金額の改定請求ができます。
なお、3級の障害厚生年金を受けている方が、さらに別の障害になった場合に、前後の障害をあわせて2級以上の障害年金を受けられるのは、後の障害の初診日が厚生年金保険の被保険者期間中であり、保険料の納付要件を満たしている場合に限られます。
Q夫が亡くなったことにより遺族厚生年金を受けていますが、2級の障害基礎年金・障害厚生年金を受けられるようになりました。どちらもあわせて受けることができますか?
A障害年金のほかに、老齢年金や遺族年金など他の年金を受ける権利があるときは、どちらか一方の年金を選択することになっています。
ただし、平成16年の年金制度改正のより、平成18年4月から、65歳以上の方は障害基礎年金と老齢厚生年金または遺族厚生年金をあわせて受けることができるようになりました。
Q仕事中(業務上)にケガを負い、障害厚生年金を受けています。業務上の傷病の場合、障害厚生年金はどのようになりますか?
A労働基準法の規定による障害保障を受ける権利があるときは、6年間障害厚生年金の支給が停止されます。
また、労働者災害補償保険法の規定による障害保障が行われるときは、労働者災害補償保険法の給付の一部が減額されます。
Q老齢厚生年金を受給していますが、障害手当金を受けることはできますか?
A次の支給を受けられる方には、障害手当金は支給されません。
①厚生年金保険、国民年金または共済組合の年金を受けられる方
②労働基準法もしくは労働者災害補償保険法等により障害補償を受けられる方
③船員保険法による障害を支払事由とする給付を受けられる方
障害年金の額は、初診日に加入していた年金制度と子・配偶者の有無により異なります。また、厚生年金・共済年金の場合は、加入月数・給与によっても異なります。さらに、物価等の変動に応じて、毎年度見直されます。
令和2年度の金額(年額)は以下のとおりです。
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1.国民年金の場合
障害基礎年金1級:977,125円+子の加算
障害基礎年金2級:781,700円+子の加算
※子の加算
2人まで・・・1人あたり224,900円
3人目以降・・1人あたり 75,000円
加算対象の子は、次のとおりです。
①18歳到達年度の末日を経過していない子
②20歳未満で1・2級の障害の状態にある子
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2.厚生年金保険の場合
障害厚生年金1級 (障害基礎年金(977,125円+子の加算))+(報酬比例の年金×1.25+配偶者の加算)
障害厚生年金2級 (障害基礎年金(780,700円+子の加算))+(報酬比例の年金+配偶者の加算)
障害厚生年金3級 報酬比例の年金(最低保証586,300円)
障害手当金 報酬比例の年金の2年分(最低保証1,172,600円)
※1級と2級は、同時に障害基礎年金(子の加算を含む)が支給されます。
※3級には、最低保証がありますが、1級2級には、最低保証がありません。
※障害手当金は一時金です。
※報酬比例の年金は、加入月数および給与により異なります。
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3.共済年金の場合
基本的な仕組みは、厚生年金と同じです。在職中は、報酬比例の年金は支給されませんが、障害基礎年金は支給されます。
※共済年金は、平成27年10月に厚生年金保険に統合されたため、平成27年9月30日までに受給権が発生した人に限ります。
Q私は統合失調症で、2級の障害基礎年金を受給していました。数ヶ月前に、現況届で診断書を提出したところ、3級に該当するとのことで、支給停止の通知が郵送されてきました。
私はどうしたらよいのでしょうか?
A厚生(共済)年金加入期間中の初診日であれば、障害の程度の軽い3級の障害年金が支給されますが、国民年金加入期間中又は20歳前の年金制度に加入していなかった期間中の場合は、障害基礎年金に3級の年金がないので、支給停止となります。
この場合、二つの方法が考えられます。一つは、3級該当を不服として、審査請求を行う。もう一つは、3級該当を認めた上で、再度、障害の程度が重くなったとして、支給停止事由消滅届を提出する方法です。
審査請求の場合は、3級に該当していない、2級のままであるとの主張です。3ヶ月以内に審査請求(審査請求で棄却であれば再審査請求。2ヶ月以内)を行い、あなたの主張が認められれば、一旦支給停止になっていた年金は、遡って支給されるようになります。
一方、支給停止事由消滅届の場合は、一旦3級を認めた上で、改めて、重くなったという届ですので、あなたの主張が認められたとしても、届をした(重くなった)時点からの年金支給のみです。一旦停止された年金が遡って支給されることはありません。
Q当社の社員が癌にかかり胃の摘出手術を受けました。手術は成功したのですが、術後ダンピング症候群という障害で働けなくなり、健康保険の傷病手当金を1年半受給後退職しました。会社で厚生年金に加入していたので障害年金が支給されると聞き、本人のご家族が年金事務所に相談して手続きをされたのですが「不支給決定通知書」が送られてきました。その通知書に「この決定に不服があるときは、この決定があったことを知った日の翌日から起算して3ヶ月以内に文書又は口頭で、社会保険審査官に対して審査請求をすることができます。」と記載されていたとのことですが、「審査請求」とはどのようなことでしょうか。
A行政庁の行為に関して、処分庁以外の行政庁に対して行う不服の申立ての制度で、国民の権利利益の救済と行政の適正な運営の確保を目的とするものです。
私たち国民が、行政庁の違法または不当な処分その他の公権力の行使に当たる行為に関して不服があるときは、一定の行政庁に対して不服を申し立てて、その違法または不当な行為の是正や排除を求めることができます。
不服の申立てのうち、処分庁に対してするものを「異議申立て」、処分庁以外の行政庁に対してするものを「審査請求」といいます。また、審査請求に対する裁決に対してする不服申立てを「再審査請求」といいます。
ご質問の審査請求に関する記載は、社員だった方が障害年金の請求(裁定請求といいます。)をされたところ、行政庁(社会保険庁長官)が不支給の決定をしたので、その処分に不服があれば3ヶ月以内に社会保険審査官に対して審査請求という不服の申立てができますという意味で、これを教示といいます。実際の審査請求の仕方は、「社会保険審査官及び社会保険審査会法施行令」という政令に定められています。
私たち社会保険労務士が審査請求を代理するときは、この法令に基づいて審査請求書を作成するのですが、もしも、法律に詳しくない方がご自分で審査請求をされるのであれば、各地の地方厚生局におかれている社会保険審査官に電話をして、審査請求書の用紙を送ってもらわれるとよいでしょう。その用紙に必要事項を記入していけば、法令を知らなくても一応の審査請求書が出来上がるようになっています。
ただ、本件の審査請求というのは、日本年金機構が決定した不支給処分をひっくり返して障害年金を支給させるための請求ですから、審査請求では社会保険審査官に対して、日本年金機構の言い分よりも審査請求人の言い分のほうが正しいということを首肯させることができるだけの論理的な主張を展開しなければなりません。
そのためには高度な法律知識や医学的な知識、審査請求についての実務能力が必要になることはいうまでもありません。
Q最近ある銀行で、社会保険労務士による「無料年金相談会」の案内を見ていたら、「もらい忘れ年金」ということが書いてありました。私が読んでいる年金の本には、老齢厚生年金とか障害厚生年金とか遺族厚生年金とかいう年金について説明していますが、「もらい忘れ年金」という年金については何も説明していません。何か特殊な年金のことでしょうか、わかりやすく教えてください。
A本来もらえるのにもらっていない年金のことで、障害年金だけでも何十万人もの人がいます。